認知症の親を老人ホームに入居させることは親不孝だと思いますか?もしそう思ってモヤモヤしている人は、そのような考えに縛られてほしくありません。
親の施設入居を検討したときの考え方を解説していきます。
親の介護は家族がしなければいけないという常識は間違い
先日、こんな相談を受けました。
「要介護3で認知症の状態にある親と同居しており、トイレや食事の介護など全面的にしている。自分自身が精神的にも肉体的にも限界にきており、老人ホームに入居させたいと思うが、それは難しい。」
ということでした。
老人ホームに入れるのが難しい理由は、経済的な理由や、本人が希望しない、など人によって様々ですが、今回の相談者の理由は「親御さんに対する罪悪感」が一番の理由のようでした。
お話を伺うと、親は家で暮らしたいと思っているに違いないし、今まで親に育ててもらっておきながら、自分は家で面倒を見ないなんていうことは恩を仇で返すようなもの、というのです。
ハッキリ言って、「親の介護は子供が家でしなければならない」という考え方は時代遅れでナンセンスです。
「要介護3で認知症の状態にある親と同居しており、トイレや食事の介護など全面的にしている。自分自身が精神的にも肉体的にも限界にきており、老人ホームに入居させたいと思うが、それは難しい。」
ということでした。
老人ホームに入れるのが難しい理由は、経済的な理由や、本人が希望しない、など人によって様々ですが、今回の相談者の理由は「親御さんに対する罪悪感」が一番の理由のようでした。
お話を伺うと、親は家で暮らしたいと思っているに違いないし、今まで親に育ててもらっておきながら、自分は家で面倒を見ないなんていうことは恩を仇で返すようなもの、というのです。
ハッキリ言って、「親の介護は子供が家でしなければならない」という考え方は時代遅れでナンセンスです。
家族だからこそ優しく接することは難しい
介護や、認知症の状態にある方との関わりは、家族であったり、関係性が近ければ近いほど優しく接することは難しいものです。
例えば母親がアルツハイマー型認知症の進行とともに息子のことを認識できなくなり、名前を言えなくなったとして、息子からしたら大変ショックの大きいことだと思います。
そのことは、頭では「認知症だから仕方ない」とわかっていたとしても、昔自分を育ててくれた頼れる親の姿を知っているだけに、感情では「しっかりしていない親」を受け入れることができない、という感情になります。
気持ちが反発し、結果親に対して厳しく間違いを指摘したり、最後まで話を聞いてあげずに途中で話をさえぎって怒鳴ってしまったり、ということが起きて当然です
しかし、真面目で優しい方であればあるほど、親に厳しく当たった自分のことをまた後悔する、という気持ちになり、場合によってはそれが原因で介護している側がうつ病になってしまうことも少なからずあります。
実際に老人ホームの施設長をしていたときも、限界まで頑張ってどうにもならなくて老人ホームに入居することになった、という方で、介護に携わっていたご家族自身が精神疾患を抱えてしまっていた、ということも少なからずありました。
少し距離を置くことで、お互いが優しく接することができるし、老人ホームにいる専門職は第三者だからこそ冷静に優しく関わることができます。
例えば母親がアルツハイマー型認知症の進行とともに息子のことを認識できなくなり、名前を言えなくなったとして、息子からしたら大変ショックの大きいことだと思います。
そのことは、頭では「認知症だから仕方ない」とわかっていたとしても、昔自分を育ててくれた頼れる親の姿を知っているだけに、感情では「しっかりしていない親」を受け入れることができない、という感情になります。
気持ちが反発し、結果親に対して厳しく間違いを指摘したり、最後まで話を聞いてあげずに途中で話をさえぎって怒鳴ってしまったり、ということが起きて当然です
しかし、真面目で優しい方であればあるほど、親に厳しく当たった自分のことをまた後悔する、という気持ちになり、場合によってはそれが原因で介護している側がうつ病になってしまうことも少なからずあります。
実際に老人ホームの施設長をしていたときも、限界まで頑張ってどうにもならなくて老人ホームに入居することになった、という方で、介護に携わっていたご家族自身が精神疾患を抱えてしまっていた、ということも少なからずありました。
少し距離を置くことで、お互いが優しく接することができるし、老人ホームにいる専門職は第三者だからこそ冷静に優しく関わることができます。
まとめ
親御さんは、大切な自分の子供が、自分の介護の為に精神を病んでしまうことを喜ぶはずがないですし、そうまでして、自分の子供に介護をしてもらいたいのでしょうか?
もちろん、誰もが希望通りの人生を送れたらそれは一番良いかもしれませんが、介護の形には正解がそもそもありません。
親の意向を無視しろと言いたいわけではありません。そもそも全てが思い通りにならない課題に対し、広い視野で考えた時にどんな選択肢をとることが良いのか、少し冷静に考えてほしいのです。
少なくとも、「親を子供が自宅で介護することが常識だから」という先入観や親戚の圧に負けて選択肢が狭い中で身動きがとれない状況にはならないでほしいです。
介護をしている人自身が自分自身を大切に考え、気持ちにゆとりを持つことは、結果的に介護される方の為でもあり、介護される側の気持ちに寄り添うことと同じくらい重要であると認識して貰えたらありがたいです。
もちろん、誰もが希望通りの人生を送れたらそれは一番良いかもしれませんが、介護の形には正解がそもそもありません。
親の意向を無視しろと言いたいわけではありません。そもそも全てが思い通りにならない課題に対し、広い視野で考えた時にどんな選択肢をとることが良いのか、少し冷静に考えてほしいのです。
少なくとも、「親を子供が自宅で介護することが常識だから」という先入観や親戚の圧に負けて選択肢が狭い中で身動きがとれない状況にはならないでほしいです。
介護をしている人自身が自分自身を大切に考え、気持ちにゆとりを持つことは、結果的に介護される方の為でもあり、介護される側の気持ちに寄り添うことと同じくらい重要であると認識して貰えたらありがたいです。
認知症という言葉に惑わされない為の研修
福祉事務所ランタンでは、
定期的に「認知症という言葉に惑わされない為の研修」というタイトルで、オンライン研修を行なっています。
世の中の認知症に対する理解は、医療介護職を含めて誤解が多く、報道や研修の中にも誤解を広げてしまうような情報が広がっている事実があります。
・認知症という病気があると思っていた方
・認知症の状態にある身近な人が、何も理解できていないように見えると思う方
・一度学んだものの、モヤモヤするという専門職
そんな方はぜひ一度、この講座を受講してみてください。
講師自身も誤解をしていた一人として、失敗談や実際に関わった事例を通して誤解を解いていくオンライン研修です。
まずは認知症とはどんな状態なのかを正しく理解することが、様々な選択をする際に必要な知識の土台となるハズです。
定期的に「認知症という言葉に惑わされない為の研修」というタイトルで、オンライン研修を行なっています。
世の中の認知症に対する理解は、医療介護職を含めて誤解が多く、報道や研修の中にも誤解を広げてしまうような情報が広がっている事実があります。
・認知症という病気があると思っていた方
・認知症の状態にある身近な人が、何も理解できていないように見えると思う方
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そんな方はぜひ一度、この講座を受講してみてください。
講師自身も誤解をしていた一人として、失敗談や実際に関わった事例を通して誤解を解いていくオンライン研修です。
まずは認知症とはどんな状態なのかを正しく理解することが、様々な選択をする際に必要な知識の土台となるハズです。
著者紹介
名前:木村 誠(福祉事務所ランタン代表)
経歴:老人ホームの介護職、施設長を経験後、医療介護専門のファイナンシャルプランナーとして独立。
企業の研修や個人相談を行う傍ら、注文をまちがえる料理店等のイベント等にも参画。
資格:介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、ファイナンシャルプランニング技能士
主な研修実績:
渋谷区役所、伊藤忠商事、良品計画、ハウスメイト、東京都介護福祉士会、青山学院大学、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ジブラルタ生命 他
経歴:老人ホームの介護職、施設長を経験後、医療介護専門のファイナンシャルプランナーとして独立。
企業の研修や個人相談を行う傍ら、注文をまちがえる料理店等のイベント等にも参画。
資格:介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、ファイナンシャルプランニング技能士
主な研修実績:
渋谷区役所、伊藤忠商事、良品計画、ハウスメイト、東京都介護福祉士会、青山学院大学、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ジブラルタ生命 他