認知症かどうかを判断する為に使われるテストを皆さんはご存知でしょうか?
何点以下だと認知症なのだろう?と気になるかもしれませんが、実は点数だけでは認知症かそうでないかは判断できないのです。今回は認知症テストの考え方について解説していきます。
認知症テストの点数が低いから認知症ではない
先日、こんな相談を受けました。父親が認知症かもしれないのだけど、認知症のテストをしたらギリギリ該当しなかった。でも心配だからもう一度受けてもらおうと思ってる。
ということでした。その方のお父さんが受けたテストは、長谷川式認知症スケール(HDS−R)という知能検査でした。
※図参照(参考:一般社団法人日本老年医学会「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」)
日付や今いる場所、計算や記憶に関する質問を繰り返し、30点満点中20点以下だと認知症の可能性が高いというように、一般的には言われています。
相談者のお父さんは21点だったため、ギリギリ大丈夫だったけど、逆にギリギリ過ぎて不安だからもう一度受けてもらおうということでした。
この長谷川式認知症スケールは、一つの参考にすることは良いのですが、あまり点数に一喜一憂することはオススめしません。
というのも、認知症の診断というのは、そんなに単純な話ではありません。長谷川式認知症スケールを開発した長谷川和夫氏本人が言っていることですが、この点数はあくまでも判断材料の一つであり、点数というよりも、そのテストを受けている時の態度や表情、それから脳の画像診断等での萎縮等の情報など総合的に判断することが大事だからです。
ということでした。その方のお父さんが受けたテストは、長谷川式認知症スケール(HDS−R)という知能検査でした。
※図参照(参考:一般社団法人日本老年医学会「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」)
日付や今いる場所、計算や記憶に関する質問を繰り返し、30点満点中20点以下だと認知症の可能性が高いというように、一般的には言われています。
相談者のお父さんは21点だったため、ギリギリ大丈夫だったけど、逆にギリギリ過ぎて不安だからもう一度受けてもらおうということでした。
この長谷川式認知症スケールは、一つの参考にすることは良いのですが、あまり点数に一喜一憂することはオススめしません。
というのも、認知症の診断というのは、そんなに単純な話ではありません。長谷川式認知症スケールを開発した長谷川和夫氏本人が言っていることですが、この点数はあくまでも判断材料の一つであり、点数というよりも、そのテストを受けている時の態度や表情、それから脳の画像診断等での萎縮等の情報など総合的に判断することが大事だからです。
認知症テストの点数が高くても認知症の可能性もある
このテストの点数は、必ずしも認知機能と比例せず、その他にも様々な要因によって影響されます。
例えばテスト当日の体調や気分、教育歴や職歴、生活歴、視覚や聴覚障害の有無、精神疾患や服薬状況などの背景情報、などなど、多くの要因が絡んでくることは想像できるかと思います。
みなさんも一度テストをしてみてください。もしも落ち込んでいたり、気分が乗らない時にむりやりテストを受けさせられたとしたら、テストどころではなく無回答、当然、能力と関係なく点数は低くなる、ということも容易に想像できると思います。
また、注意したいのが、認知症の種類によっては、認知症の状態だとしても高得点が出るケースもあるということです。
長谷川式認知症スケールは、記憶に関係した評価項目を中心に構成されているため、特に初期段階では記憶障害が現れにくいレビー小体型認知症や、前頭側頭型認知症に関しては当然ながら検査結果の点数が高くなる可能性もあります。当然、だからと言って認知症ではない、ということにもなりません。
例えばテスト当日の体調や気分、教育歴や職歴、生活歴、視覚や聴覚障害の有無、精神疾患や服薬状況などの背景情報、などなど、多くの要因が絡んでくることは想像できるかと思います。
みなさんも一度テストをしてみてください。もしも落ち込んでいたり、気分が乗らない時にむりやりテストを受けさせられたとしたら、テストどころではなく無回答、当然、能力と関係なく点数は低くなる、ということも容易に想像できると思います。
また、注意したいのが、認知症の種類によっては、認知症の状態だとしても高得点が出るケースもあるということです。
長谷川式認知症スケールは、記憶に関係した評価項目を中心に構成されているため、特に初期段階では記憶障害が現れにくいレビー小体型認知症や、前頭側頭型認知症に関しては当然ながら検査結果の点数が高くなる可能性もあります。当然、だからと言って認知症ではない、ということにもなりません。
まとめ
そもそも、認知症という一つの病気があるわけではありません。
あくまでも原因疾患による、その部分の脳の機能の障害なのですから、
〜型認知症なのか?という視点がなく、「認知症」という言葉でひとくくりにしてしまうような医師がテストをした場合、誤診となる可能性もあると言わざるを得ません。
また、仮に何らかの認知症の状態であると診断されたとしても、「認知症だから人格がおかしくなる」「認知症だから徘徊する」わけではまったくありません。わかっていることやできることも十分あるにも関わらず、まわりが認知症という言葉に惑わされて本人を色眼鏡でみてしまうことで、本人の精神的負担になっていることも非常に多く見受けられるのです。
まずは、認知症という言葉に惑わされず、その人はあくまでもその人自身のままであり、
テストは一つの参考程度であると心がけてほしいと思います。
あくまでも原因疾患による、その部分の脳の機能の障害なのですから、
〜型認知症なのか?という視点がなく、「認知症」という言葉でひとくくりにしてしまうような医師がテストをした場合、誤診となる可能性もあると言わざるを得ません。
また、仮に何らかの認知症の状態であると診断されたとしても、「認知症だから人格がおかしくなる」「認知症だから徘徊する」わけではまったくありません。わかっていることやできることも十分あるにも関わらず、まわりが認知症という言葉に惑わされて本人を色眼鏡でみてしまうことで、本人の精神的負担になっていることも非常に多く見受けられるのです。
まずは、認知症という言葉に惑わされず、その人はあくまでもその人自身のままであり、
テストは一つの参考程度であると心がけてほしいと思います。
認知症という言葉に惑わされない為の研修
福祉事務所ランタンでは、
定期的に「認知症という言葉に惑わされない為の研修」というタイトルで、オンライン研修を行なっています。
世の中の認知症に対する理解は、医療介護職を含めて誤解が多く、報道や研修の中にも誤解を広げてしまうような情報が広がっている事実があります。
・認知症という病気があると思っていた方
・認知症の状態にある身近な人が、何も理解できていないように見えると思う方
・一度学んだものの、モヤモヤするという専門職
そんな方はぜひ一度、この講座を受講してみてください。
講師自身も誤解をしていた一人として、失敗談や実際に関わった事例を通して誤解を解いていくオンライン研修です。
まずは認知症とはどんな状態なのかを正しく理解することが、様々な選択をする際に必要な知識の土台となるハズです。
定期的に「認知症という言葉に惑わされない為の研修」というタイトルで、オンライン研修を行なっています。
世の中の認知症に対する理解は、医療介護職を含めて誤解が多く、報道や研修の中にも誤解を広げてしまうような情報が広がっている事実があります。
・認知症という病気があると思っていた方
・認知症の状態にある身近な人が、何も理解できていないように見えると思う方
・一度学んだものの、モヤモヤするという専門職
そんな方はぜひ一度、この講座を受講してみてください。
講師自身も誤解をしていた一人として、失敗談や実際に関わった事例を通して誤解を解いていくオンライン研修です。
まずは認知症とはどんな状態なのかを正しく理解することが、様々な選択をする際に必要な知識の土台となるハズです。
著者紹介
名前:木村 誠(福祉事務所ランタン代表)
経歴:老人ホームの介護職、施設長を経験後、医療介護専門のファイナンシャルプランナーとして独立。
企業の研修や個人相談を行う傍ら、注文をまちがえる料理店等のイベント等にも参画。
資格:介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、ファイナンシャルプランニング技能士
主な研修実績:
渋谷区役所、伊藤忠商事、良品計画、ハウスメイト、東京都介護福祉士会、青山学院大学、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ジブラルタ生命 他
経歴:老人ホームの介護職、施設長を経験後、医療介護専門のファイナンシャルプランナーとして独立。
企業の研修や個人相談を行う傍ら、注文をまちがえる料理店等のイベント等にも参画。
資格:介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、ファイナンシャルプランニング技能士
主な研修実績:
渋谷区役所、伊藤忠商事、良品計画、ハウスメイト、東京都介護福祉士会、青山学院大学、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ジブラルタ生命 他